大阪タオル工業組合


ものづくりの極みこそ、卸問屋との太いパイプづくりが欠かせない。

  • 2012年4月20日(金) 15:29 JST
  • 投稿者:
    matsumoto



大阪タオル工業組合様は2011年11月には大阪、2012年2月には東京で、安心・安全をテーマに開発したJAPANブランド・泉州こだわりタオルの新作発表展示会を開催。今回のテーマは「Marine cottage(マリンコテージ)」。会員であるタオル製造メーカー約20社が切磋琢磨して創りだしたタオルが展示されていました。

大阪ではクリスタ長堀・滝の広場で2日間。東京では丸ビル1F・マルキューブで2日間、ふたつの会場で毎年3000人のアンケートを実施して、一般消費者のリアルな声を集めている。今年も大阪に約5000名、東京へは約4000名の方々が来場されました。

(株式会社尾原デザインスタジオ 尾原久永さん)

「毎年3000人のアンケートを集計すると、特定のメーカーのタオルに人気が集中するのですが、今年に限っては票が分散しているのが特徴です。それだけ、どのメーカーの製品もクオリティが高く、充実したものになっているということです。」








大阪タオル工業組合はこれまで、この展示会を泉州こだわりタオルのブランディングの場と捉え、メーカーの規模を問わず商品開発を行ってきた。なかでもこの展示会に参加できるのは素材、撚り、織りともに工夫を凝らし、組合員が納得した製品をつくりだし、皆から選ばれたメーカーだ。


(大阪タオル工業組合 竹本利弘さん)

私達の業界は非常に小規模で、意識を持っていても営業ができない。ものをつくり、営業できてこそ初めて仕事になる。しかし組合内の企業でもそれができない企業も多い。そんな企業にとっては自社の仕事を見てもらえる絶好の機会がこの展示会です。


当初は大阪だけの開催だったが、あえて東京の丸ビルで開催するリスクを張っての展示会を開催するようになって5年。東京の卸問屋、二次問屋、百貨店のバイヤーまで訪れるようになった。より強いBtoBのパイプをつくるための大きなツールとなるこれらの展示会は産地としてのメリットは計り知れない。


(竹本さん)

「これまで安価な輸入タオルを販売していた卸問屋との関係性を再構築し、国産ブランドである泉州こだわりタオルの普及をめざす大阪タオル工業組合として、卸問屋の方々からこの展示会の成果を通して「一緒に組みたい」という意見が出て来たことは、私どもの活動がやっと実を結びはじめたと実感しています。」






(尾原さん)
タオルのギフト市場が縮小したことで、卸問屋は消費者がどんなタオルを買いたいと思っているのか、どんなタオルなら売れるのかを切実に知りたいと思っています。そういう意味ではこの展示会で集めたものづくりにつなげるための3000人のアンケートは、私達にとっても貴重ですが、卸問屋にとってはさらに魅力的なマーケティング資料となるのではないで
しょうか。やはり、マーケットを知る、その基本を押さえているところ最終的には強いと思います。」



23年度の国産タオルの生産高は、20年ぶりに一昨年比で1.23%増えたという。国産タオルのシェアは約2割で、残りは輸入品という状況の中、国産メーカーと問屋の関係は微妙だが、最近では輸入品の売上が伸び悩む一方、国産品見直しの兆しが見られる。今回の展示会ではあえてアンケートの設問に「国産を意識して買いますか」という設問を入れたところ、回答者のほとんどが「意識している」と答えているという。こうした状況を好機ととらえ、問屋とのさらなるWINWINの関係を築いていくことが、このファンド事業での1年目の活動のポイントとなっているといえる。

(取材日/大阪2011.11.20、東京2012.2.23)




大阪タオル工業組合の「ツボ」

山納さん・展示会は販路開拓の場であるとともに、消費者のニーズを探るマーケティングリサーチの場でもあるという点を意識しています。

・同組合が、問屋を通さなければ消費者に商品を販売できない存在である、という点に注意。

  • ものづくりの極みこそ、卸問屋との太いパイプづくりが欠かせない。
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