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座りながら姿勢を矯正できる「背ざぶとん」

  • 2012年12月28日(金) 15:52 JST
  • 投稿者:
    matsumoto


箕面市にある株式会社ピーエーエスは「心地よさから生まれる元気のシステムをつくる」をテーマに、身体障がい者用の座位保持装置(椅子・シート)をオーダーメイドで製作する会社です。同社の専務取締役であり作業療法士の野村寿子さんが長年リバビリを行ってきたノウハウと、在位保持装置を製作する技術力を結集し、汎用型の背座一体型シート「背ざぶとん」を開発しました。

リハビリの現場から発想した「座位保持装置」

株式会社ピーエーエス 野村寿子さん

 もともとは吹田市の通園施設で16年間、作業療法士として働いていました。16年もいると制度を作っていく側になるのですが、現場には、制度では守りきれない人たちがいます。その人たちに行政とは別の立場で快適な環境を提供したいと思うようになり、役所の仕事を辞めて開業しました。

 当初は絵画や陶芸、音楽療法などの教室として開業しましたが、2年目から、身体障がい者の方向けのオーダーメイドの座位保持装置づくりを始め、やがてそこに特化していきました。リハビリの現場で得た解剖学や運動学の知識を活かした商品開発に、大きな可能性を感じたのです。


量産化への道

 障がい者向けの商品の注文をいただくには、ご本人の希望だけでなく、医師やセラピスト、家族の方々の賛同を得る必要があります。私たちは椅子づくりのかたわら作業療法学会などで講演をしたり執筆活動を行い、徐々に共感を得られるようになってきましたが、その共感をさらに増やしていくためには、オーダーメイドで培った技術を活かして、一般の人々にとってもメリットのある製品を量産化することが必要だと考えるようになりました。





良い姿勢を保つことは並大抵なことではない現代社会。

 良い姿勢を保つことができない椅子に座り長時間作業を行うと、腰痛や肩こりが慢性化し、ついには身体が悲鳴をあげてしまう。現代社会病とも言えるこの問題を解決するため、ピーエーエスはこれまで培ってきた身体障がい者の方向けに行ってきた “身体を整える”リハビリのノウハウと座位保持装置をオーダーメイドで製作する工房の技術力を活かして開発されたのが背座一体型シート「背ざぶとん」です。





株式会社ピーエーエス 野村寿子さん

 「レディメイドのシートをつくろうと思ったきっかけは、作業療法士の仲間から、高齢者のための車椅子用のレンタル制度が利用できるシート製作の依頼を受けたことでした。レディメード用のシートの試作を重ね、座り心地と活動のしやすさを、既製品でも実現できるという確信を持つことができたことが製品化の第一歩となりました。」


株式会社 ピーエーエス 代表取締役 村口健一さん

 「現代人は日常的に長時間椅子に座って作業をしていることが多いのですが、椅子に座ったまま正しい姿勢を保つことは、人の身体の構造上難しく腰痛や肩こりなどの原因となります。また、学校でも姿勢の悪さによる子どもの集中力、学力の低下が指摘されています。この「背ざぶとん」を椅子の上に敷き座るだけで正しい姿勢が維持でき、快適で作業効率が上がるのなら、椅子に座って長時間作業するすべての人がターゲットになると考えました。」






まずは体験してもらえる“場”をつくる。

コーディネーター

 実際に型採りした日本人の標準体型のデータをもとにつくった背座一体型の「背ざぶとん」の今後の展開を教えてください。


プロデューサー 株式会社ジールプラス 野口 顕さん

 「やはり使ってもらわないと良さが伝わらない製品なので、モニターで使用してもらえる場を確保したいと考えています。しっかり話を聞いてもらう場をつくれば勝手に動き出すのではないかと思っています。」


野村さん

 「産婦人科でモニター的に妊婦さんや産後のお母さんに使っていただきたいなと考えています。授乳時どうしても前屈みになり、赤ちゃんも窮屈そうなんですが、この背ざぶとんを使うとお母さんの姿勢が良くなるので、赤ちゃんの座る姿勢も変わってきます。」


村口さん

 「やはりビジネス仕様は外せないと考えています。こちらも企業へのモニター導入を考えています。今年度は大人を対象に、まずは大人に体験してもらって意識改革をしてもらい、来年度は子ども達へのアプローチを始めたいですね。」

 使ってみないと良さを理解してもらえない商品を販売する場合、モニターでの体験談の積み重ねと、実証実験でのデータの蓄積が大切となってきます。現在、ピーエーエスでは大学へクレペリン検査による集中力の持続力の経過や長時間座り続けた姿勢の中での効率の善し悪しの実験を大学へ依頼しています。

コーディネーター

「今後、会社としての将来的ビジョンを教えてもらえますか。」

村口さん

 「身体障がい者用の座位保持装置(椅子)をつくる際、オーダーするのは本人ではなく医者か理学療法士という現実があります。どんなに緊張の強い姿勢であっても椅子をつくる側がその人の身体を整えることができて、快適な姿勢で型を採り座位保持装置(椅子)をつくれば、その障がい者の方の毎日の暮らしは随分違うのです。しかし現実は突っ張ったり、のけぞったりする姿勢は仕方ないものとして捉えられ、緊張の強い身体に合わせて座位保持装置がつくられている現実があります。

 この一般商品となる「背ざぶとん」をヒット商品にすることで、弊社のシートメーカーとしてのブランドを確立し、福祉業界の中での知名度が上がることで、より多くの障がいを持つ方々に弊社の商品である障がいをお持ちの方から本当に快適なものをいただける様になりたいと思っています。」

株式会社ピーエーエス「背ざぶとん」の「ツボ」

山納さん・リハビリの現場で得た解剖学や運動学の知識を活かして商品開発をしています。

・オーダーメイドからレディメイドへ、すなわち量産化への飛躍を果たそうとしています。

・使ってもらってはじめて良さが分かる商品をどう広めるか、という課題意識を持っています。

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